グラブ修理事例その2



こちらのグラブは、3年前にお買い上げいただいたものです。

当時まだ小学生だったお客様が中学からは硬式野球チームに入団しその際に選ばれたグラブ。

ところどころに3年間の努力の跡が見られます。

来春からは高校で女子野球を続けられるとのことで、使い慣れたグラブのオーバーホールのご依頼を受けました。

 

奮闘の跡が感じられます

グラブが破れてきてもシーズン中だとなかなか修理に出すこと難しく、そのうち小さかった破れが大きくなってしまうことはよくあることです。ウエブ部も擦れてしまっています。

指紐も切れかかっています。完全にちぎれてしまう前なので補強で済みそうです。


修理に取り掛かる前にお掃除

さて、修理に取り掛かります。

まずは、革ひもをほどいて可能な限りクリーナで汚れを落とすところからスタート。

全ひも交換をする際はグラブをクリーニングする絶好のチャンスです。

普段キレイにできない隅の部分もクリーナーで汚れを落とします。

こちらのグラブは奮闘の跡は随所に見受けられますが、普段からオイルを塗るなどのお手入れをなさっていたようで、革も乾燥することなく良い状態でした。

修理開始

まずはウエブ下の破れからアプローチ。

内部に革を当ててミシンを細かく刺していきます。

擦れて一部欠損していたヘリ革も交換。可愛らしく仕上がりました。


グリス充填。

時間が経つと中のグリスも乾いたり、固まったりしてダマになってることもあります。

既存のグリスを丁寧にはがして新しいものを入れます。

擦れてひもが見えそうになっていたウエブの内側も一部革を張り替えて補強。


ちぎれかかっていた指紐もミシンを刺して補強。

紐をすべて交換したのでグラブもしっかりとした形状になりました。


仕上げ

最後に色の抜けてしまった部分にカラーオイルを塗り、全体的に透明のオイルを塗って時間を置いてからブラッシングと乾拭きをして完了です。