「もうダメかな…」と思ったグラブも修理可能な場合もあります。
諦めずに、ご相談ください。
さて、今回のお客様は…
はじめにお電話でお問い合わせいただいた際に「親指が見えるんです」とお客様がおっしゃるので、実物を拝見するまでは一体どんな状況なのか?と大変気になっておりましたが…
問題なのは親指だけではなさそうです。
親指の手首側の付け根が裂け、手口のヘリ革はすれて無くなってしまっています。
人差し指と親指の股の部分も穴が開いています。
まずはグラブ紐を全て外してから汚れを丁寧に落とします。
スーパークリーナーを使用。
汚れにクリーナーを塗布し、浮かせます。
こちらは表側。
汚れが浮き上がったらふき取ったり、細部は歯ブラシを使ってきれいにします。
グラブ本来の姿が少しわかるようになりました。
捕球面もオレンジのグラブだった面影が。
改めて裂け具合を確認してみますと、親指の「切ハミ」部分に沿うようにほつれて、手首の「ヘリ革」も擦れてなくなっています。
指又の裂け目もかなり大きく、内部に関してもかなり革が劣化しています。
それでは修理開始!!
まずはハミダシ部分に沿ってほつれてしまった親指付け根を縫います。
縫いしろが極めて少ないため、慎重に…
そして新しいヘリ革を付けたのがコチラ↓
お客様とは手口のヘリ革だけを修理する約束でしたが…
手の甲の部分のヘリ革も所々擦り切れてボロボロに…
コチラは特別にサービスでお直ししました。
指又の裂け目も…
裏に広めに革を当て、ミシンを細かく刺すことでことで補強。
ウエブの部分も本体と紐で繋がっている箇所が破れたり、弱ったりしているので、一度開いて補強します。
革を裏に貼って細かくミシンを刺します。
これでだいぶ強くなるでしょう。
指紐も新しく作り直し
補強しました。
破れの修理は終了!!
次は中にグリスを入れます。
グリスを入れ
まんべんなく広げて
偏りがないように馴染ませます。
さて、ふたたびグラブを組み立てます!!
そしてオイルを塗って、完成です。
これでまだしばらく活躍できそうです。
お客様と一緒に今年こそ思いっきりプレーしてほしいですね。